top of page

今さら人に聞けないFSのセオリー徹底解説


良いFSはセオリーを知らずには生み出せない。

この記事において断言する全てには、あくまで例外がいくらでもあるということを頭の片隅に放り込んでから読んでください。

ペンスピナーは誰しも『良いFSはなぜ良いと思えるのか、なぜ良いFSを生み出せないのか』について歴3年半に達すると考え始めるに違いない。

なぜか、それはなぜなら...

良いFSの多くはセオリーを抑えているから良く見えるのである。

もちろん例外はいくらでもあるが。

始動から〆まで綿密に組んだつもりでも撮影した動画を見返すと何かがおかしい、イメージしていたトップクラスのスピナーの動画と比較すると絶望的な距離を感じる。

それはセオリーを理解していないからである。

倍率の高いCVに落ちなくなってきたスピナーは無意識的に理解しているかもしれませんが、今回はそんなFSのセオリーを徹底的に解説します。

 

FSのセオリー【5原則】

・全軸を満遍なく使う

・苦手な技は捨てる

・見せ場はわかりやすく

・〆は畳み掛ける

・なるべく切り返さない

 

・全軸を満遍なく使う

極端に1軸を使わないFSや45軸を使わないFSはバランスが悪く、ワンパターンに見られることは火を見るより明らかです。

なので全軸を満遍なく使いましょう。

言うまでもない事項だと思うのでサラッと流ます。

 

・苦手な技は捨てる

どう頑張っても自分の手や環境で見栄えさせることができない技や、今習得中の技をあえてFSに組み込んでも他の人より上手く見せることは絶対にできません。

何不自由なく回せると自覚できるほどの歴にならないと、自分で自分の苦手な技を理解するのは難しいかもしれません。

自分が見栄えさせることが出来ない技、よく使うが平均点以下になるような流れが自分ではわからない場合は身近なスピナーに動画を見せて、率直な感想をもらいましょう。

これも言うまでもない事項だと思うのでサラッと流ます。

 

・見せ場はわかりやすく

一瞬もいいなと思える瞬間がないFSは印象に残りません。

そのため自分のFSを見た人の印象に残すため、「おっ、今のいいな」と思わせる見せ場を最低1つはFSに組み込みましょう。

『見せ場=奇抜で誰もしたことのない技やコンボ』という認識は大間違いです。

見せ場というのはFS中の最も見ていて気持ち良いパートのことです。

そのパートが主役となり誰にでもわかるようにすることもセオリーの1つです。

その見せ場をわかりやすくするには、前後の流れを見せ場に注目がいくように組む必要があります。

見せ場を強調するために見せ場までの流れは必死感が出ないように、抑え主役を立てせるために脇役となるパートは難易度を抑えて余裕を持って回すといいでしょう。

見せ場を複数FSに組み込んでFS自体を1つのコンボと化してしまうような構成(key3、dami-など)を組む場合は別ですが、初心者が手を出すのは必死感が漂うので危険です。

次は見せ場が分かりやすいFSを見つつ解説していきます。

Skyper No.10 - ayaNo

見せ場が中盤にありとてもわかりやすい。

3秒から7秒の見せ場が際立つようにそれ以外の流れはシンプルに構成されています。

見せ場が強調されているので9秒のFSですがインパクトが大きく印象に残りやすい。

この動画では奇抜な構成と切り返しが見せ場になっていますが、緩急を見せ場にする場合でも見せ場をそれ以外のパートより少し難易度を上げて構成にするとより際立って見えます。

 

・〆は畳み掛ける

歌で言うところの大サビ、花火で言うところのスターマイン。

FSの最後は盛り上げたほうがいい。当たり前です。

序盤中盤といい流れを作って見せ場も入れたのに、〆がノーマルでは尻すぼみで良いFSだったと思えません。

最悪〆さえ盛り上がって畳み掛けられていたら、それだけで良いFSだったと思えるまであります。

これに関しては特に言うことが他にないのでわかりやすい動画を例に見ていきましょう。

JapEn 13th - 肄弖嵳

PSN 2nd - cir

見ればわかると思うので多くは語りませんが、大昔からのお約束でこのcir氏の動画は10年以上前のFSです。

10年以上前から〆を畳み掛けるのはお約束だったわけで、見せ場を〆に持ってくるもよし、とにかく〆はインパクトのある流れにしましょう。

回転方向を統一して、それまでの流れより勢いをつけてキャッチの回転が止まる瞬間まで全速力で駆け抜けるように意識して構成すると畳みかかって見えます。

 

・なるべく切り返さない

ペン回しと言うくらいなのでペンは回っていてナンボです。

回転を変える技を上手く扱い、かつ見栄えさせるのはめちゃくちゃ難しいのです。

基本的には切り返しはFS中に1~2回がセオリー通りで、3回までは深く考えず構成しても問題ありません。

コンボとコンボを繋いだだけのFSと認識されてしまいがちなケースの多くは、FS中に自分がやりたいコンボや流れを回転方向が違うというのに安直な切り返しで繋いでいることです。

まとまりのあるFSを組むにあたってコンボとコンボの繋ぎ目に安易な切り返しを使うと、前後の流れを断ち切っているように見える、つまり流れを壊してしまっていると思われてしまいます。

例えば15秒のFSで3秒毎に回転を安直な技で切り返し、『順→逆→順→逆→順』のような回転方向で構成したとします。

もう恐らく誰がどれだけ頑張っても、この制限下でゴンボとコンボを繋いだだけじゃないFSを構成するのは不可能だと思います。

なぜならFS 中の回転が変わる瞬間は目に留まりやすく、4ガンリバ→4ソニックなどの安直な切り返しは、まず単純に難易度が低いため流れを断ち切って見えます。

それだけでなくバックタップやハーモニックなどの切り返し前後で回転速度が落ちない一部の技を除いて、基本的に切り返し直後に回転速度が落ちるため、悪い緩急となり構成の詰めの甘さが浮き彫りになります。

仮に上の例において繋ぎたいコンボとコンボが同一回転方向で繋がったとして、『順→逆→逆→順→順』のように安直な技で繋ぎ構成したとします。

この場合切り返しが2回に抑えられるので、『逆→逆』と『順→順』のパートで6秒回転方向を統一した流れができます。

構成重視派のスピナーならば、『やりたいコンボ→4ガンリバ→伏せ4ソニック→やりたいコンボ』のように繋ぐと若干の詰めの甘さは浮き彫りになりますが、ペンの挙動のみに着目して上の4回切り返した例と比較してみると、切り返しによるペンの減速や静止が2回減ったためより多く回って見えます。

ペンが回っているからこそペン回し、回転数が稼げてかつ流れも保てるのでセオリー通りやるなら切り返しは少ないほうがいいでしょう。

ですが、セオリーを理解した上であえて従わないことで、切り返しを上手く見栄えさせる技量があると思わせることもできます。

切り返しを入れるタイミングや技の選定を工夫することで、切り返し自体を見せ場にすることや、ペンの減速や静止無く回転方向を変えることができたりします。

あくまでセオリーの例外なのでサラッと触れるだけにしておきます。

NG4th - hash

こちらは切り返し自体を見せ場にした例で、3秒からのバックタップによるコンボ中に小刻みに回転方向を切り返しています。

3秒から5秒のコンボ以外では切り返さず流れを保っているため、より切り返しが見せ場として強調されています。

このようにキレのある(減速、静止の間隔が短い)技で切り返すとメリハリが生まれます。

複数回切り返すコンボもキレのある技で構成して組み込むと見せ場になったりもしますが、初心者が手を出すのは危険です。

セオリーを理解したうえで従わないのと、理解せずに好き勝手するのは全く違うということですね。

今までセオリーを意識したことがなかった方はこれを機に、一度今まで撮影した動画を見返したり手元を見て自分のペン回しを分析したりしてみてはいかがでしょうか。

あくまでこれはセオリーであって、裏切ることで良さを生むこともできますが型を知らずに型破りはできません。

続編としてJapEn 12thをセオリーを元に解析していく記事を書く予定なので乞うご期待!


bottom of page